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日立建機/エンジンレス・フル電動リジッドダンプトラックの共同開発を開始、鉱山現場の環境配慮と生産性向上に貢献

日立建機㈱は6月23日、スイスのABB Ltd.と共同で、エンジンを搭載しないフル電動のリジッドダンプトラックの共同開発を開始すると発表した。開発の目的は鉱山現場における生産性向上とし、初期費用およびライフサイクルコストの抑制と高い稼働率を実現するものになるという。
同社はこれまでも鉱山現場に活用されるダンプトラックを手掛けているが、鉱山現場では今、CO2排出削減のための機械電動化への関心が高まっている。しかしダンプトラックの電動化には、バッテリーの価格がネックとなる上、バッテリー搭載量と資源積載量が半ばトレードオフに関係にあることから、コスト削減・生産性向上と環境意識の両立が課題となっている。
日立建機の既存製品としてはトロリー受電式リジッドダンプトラックがあるが、それらはバッテリーを搭載してないため、上り坂走行時に架線から電力を取り込んでモータを駆動させる方式だった。したがって架線設備がない場所や下り坂等では、充電を行わずにエンジンで発電機を回し、これによって得た電力で走行するしかない。
対して今回同社およびABB社が共同開発するダンプトラックは、「トロリー受電式」ではなく「トロリー充電式」だ。架線がある場所では電力を取り込むと同時にバッテリーへの充電も行うことができ、架線がない場所ではバッテリーからの電力供給で走行する。また下り坂ではブレーキの回生エネルギーでバッテリーを充電できる。にエンジンレス・フル電動化することでCO2排出削減を実現した。
日立建機/エンジンレス・フル電動リジッドダンプトラックの共同開発を開始
さらに「トロリー充電式」を採用することで、バッテリーの搭載量を抑えるとともに、バッテリー自体の負荷低減・長寿命化を図ることができるという。これによって初期費用とライフサイクルコストを抑制する。バッテリー搭載量を抑えることはまた、車体に占めるバッテリーの重量が軽くなることから積載量最大化につながる。加えて充電のために停車する必要がなくなることから、高い積載量と高稼働率という生産性の向上を実現できるとしている。

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