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鉄建建設/リアルタイムにコンクリート充填状況を把握
――帯状濡れセンサモニタリングシステムの実用化

〔プレスリリース〕2021年6月30日

■ 鉄建建設株式会社(本社:東京都千代田区、社長:伊藤泰司)と広島大学大学院先進理工系科学研究科 大久保孝昭教授との共同研究において、「帯状濡れセンサモニタリングシステム(特許出願済)」を鉄筋コンクリート造の実大構造物の施工に適用し、その有用性を確認することができました。
■ 帯状濡れセンサモニタリングシステムは、濡れセンサと温度センサを組み込んだ帯状のセンサを型枠(せき板)の内表面に設置することにより、コンクリート打設時のコンクリートの充填状況をリアルタイムに把握することが可能です。さらに、濡れセンサ出力率と豆板・巣による空隙率は負の相関性が高いことを利用して、コンクリートの密実性を検知することが可能であるため、コンクリートの締固め状況を把握することにより、豆板防止などコンクリート構造物の品質向上に効果的です(写真1)。
■ 帯状濡れセンサは、施工後も部材に残すことも可能で、構造体コンクリートの強度発現の管理や供用時における内部結露の検知などの保全用のツールとして活用することができます。

写真1 コンクリート打設状況(左)と充填状況のモニタ表示(右)

〔出典〕鉄建建設㈱

■ 帯状濡れセンサ(図1)は静電容量式のセンサであり、電極間の静電容量を測定し、比誘電率の変化からフレッシュコンクリートの充填を検知します。センサの形状は帯状となっており、測点ごとの濡れ検知ではなく、線状に濡れ検知ができるため、コンクリートの充填状況が詳細に把握できます。
図1 帯状濡れセンサの構成

〔出典〕鉄建建設㈱

■ 帯状濡れセンサモニタリングシステムは、①帯状濡れセンサ、②小型データロガー、③パソコン及びスマホを使用して計測を行います(写真2及び図2)。①帯状濡れセンサは計測長さに応じて、センサ同士を連結して延長計測が可能な仕様とし、帯状で構成されたセンサであることから、測点毎の配線が不要であるため、従来の配線の煩雑さがありません。②小型データロガーは、保存用メモリを備えており、さらに内蔵のリチウムイオン充電池で稼働するように省電力の構成としていることからサーバと常時接続せずに計測できます。また、②小型データロガーと③パソコン及びスマホはBluetooth®によって無線接続し、パソコン及びスマホで計測制御とデータ保存を行える仕様です。

写真2 帯状濡れセンサモニタリングシステム構成

〔出典〕鉄建建設㈱

図2 計測イメージ図

〔出典〕鉄建建設㈱

■ 今後の展開として、帯状濡れセンサモニタリングシステムのユニット化、NETIS登録および販売展開を図る予定です。
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鉄建建設株式会社 経営企画本部 広報部
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